通電テスト・BIOS確認

このファイルは、「My Free-style PC」の「パソコン自作コーナー」の自作パソコン組立講座のファイルであり、少し詳しくパーツ装着・接続の確認、BIOSの設定項目の確認方法を解説しています。
 なお自作パソコン組立講座を順番に読むためには「組立講座・目次」を参照してください。



 目 次

1 パーツ装着・接続の確認

組立て完了後、パソコンの電源を入れて異常が無いか確認すべき事項を説明します。
 パーツの故障の確認のためには、代替パーツがあれば取り替えてみると原因の確認が早いのですが、以下の説明は、初めて自作することを想定して、代替パーツが無いことを前提に記載しています。

1-1 パソコンの起動の仕組み

パソコンの起動の仕組みを簡単に説明すると、Windowsをインストールする前は、パソコンの電源を入れると、BIOSが起動し、起動ドライブ(デバイス)を探して見つからないので、そのまま待ちの状態となって停止します。

 これで正常であり、CD-ROM(DVD)ドライブにWindowsXPのCD-ROMを入れて電源を入れると、起動ドライブ(CD-ROMドライブ)にあるWindowsXPのsetupプログラムを見つけることができ、WindowsXPのインストールが始まります。

 WindowsXPのインストール後は、電源を入れると、起動ドライブ(HDD)にあるWindowsXPを見つけ、Windowsが起動します。

 つまり、CD-ROMやHDDなど起動ドライブから起動できる状態になっていれば、ハードウェア的には完成しており、組み立てて最初にその確認をします。


1-2 通電テスト

パソコンの電源を入れた後、ビープ音が「ピポッ」と正常に鳴り、起動ドライブから起動できる状態になれば、後述のBIOS上の確認をすれば良いのですが、何らかのトラブルで画面が真っ暗なままでは、BIOSの設定画面が表示できません。

 正常にBIOSが立ち上がらないときは、一旦パソコンの電源を切り、PCケースの側面パネルを外して再度電源を入れて次の事項を確認してください。

1 マザーボードの通電ランプは点灯しているか?
2 CPUファンは回っているか?
3 異常なビープ音が鳴っていないか?

 
 右の画像の右下の緑色LEDがマザーボードの通電ランプです。

 パソコンの電源ケーブルがコンセントに接続されていれば、フロントメイン電源スィッチがOFFであっても、常時マザーボードには通電されており点灯しています。

 PCケース背面のATX電源ユニットのスィッチ(背面スィッチ)は、通常は常時ONで使用しますが、この背面スィッチをOFFにすれば通電ランプは消灯します。

これらの点が異常なくマザーボードに通電されていれば、コンセントからパソコンへの電源ケーブルを抜くか、背面スィッチで電源を切り、マザーボードへの電源供給ケーブルを全て抜いてから、CMOSクリアをしてみてください。

 CMOSはパソコンの電源をいれた時に最初に立ち上がるBIOSのセットアップで設定した情報が保存されているRAMで、CMOSクリアとは、CMOSのRTC(リアルタイムクロック)RAMデータを消去することです。

CMOSクリアの方法

CMOSクリアの方法は、電源を絶った後、一般的には2通りの方法がありますが、マザーボードのマニュアルを見て、次のいずれかの方法、あるいは両方の方法を試みてください。

 (1) CMOSクリアジャンパピンの抜き差し
    マザーボードにはCMOSクリアジャンパピンがあります。
    このジャンパピンのデフォルト(初期設定)で1-2番ピンに刺さっているキャップを、2-3番
   ピンに差し替え、5〜10秒ほど待って、またキャップを元の定位置の1-2番ピンに戻す。
   これで完了です。

 (2) リチウム電池を抜く
    マザーボード上のリチウム電池を抜きしばらく放置し、電池を元に戻す。
    電池を抜くときに、ピンセットを使い留め具をつまむと簡単に外せます。
    リチウム電池の寿命は、普通はパソコンの寿命5年より長いため取り替えた経験がない
   でしょうが、電源供給されないときのバッテリーであり、マニュアルにはBatteryや
   CMOS POWERと書かれています。

 一般的には上記手順ですが、マザーボードのマニュアルのCMOSクリアの方法の説明を読み、必ずマザーボードのマニュアルに従ってください。

 なおASUSのマザーボードの説明では、電源offの状態で、リチウム電池を抜き、ジャンパピンによりCMOSクリアする、つまり上述の2通りの方法を両方行なうように書かれており、それが一番堅い方法なのでしょう。

   CMOSクリアジャンパピンの位置は、マザーボードによって異なります。

 一般的には右の画像のように、リチウム電池の周辺にCMOSクリアピンがありますが、離れている場合もありマニュアルで確認してください。

 マニュアルのマザーボードのレイアウトには、CLR_CMOS、CLRTCなどと書かれていますが、JP番号で書かれていると解りにくいので、マニュアルをしっかり読んでください。

CMOSクリアをすると、BIOSのセットアップ画面に入って、設定変更が必要になることがあり、次の「BIOSの設定項目の確認」に目を通してください。

 CMOSクリアしても正常に起動しない場合は、次はパーツの装着や接続の確認で、次の通電ランプが点灯していない場合と同じように、最小構成のパーツに戻して確認します。


1-3 通電ランプが点灯していない場合

(1)コンセントからの電源コードが接続されているか?
  (2)ATXケースの電源の背面スィッチがONとなっているか?
  (3)マザーボードに24ピン主電源ケーブルが接続されているか?

 正しく接続されていれば、ATX電源かマザーボードの故障の疑いがありますが、パーツを購入して最初から初期不良ということも滅多にあることではなく、PCケースとマザーボードのショートなどハードウェアの故障ではないトラブルの可能性が高いでしょう。

 その確認のためには、マザーボードを一旦PCケースから外し、最小構成のパーツのみで通電テストを行うことがセオリーです。

 最小構成は、マザーボード、CPU、メモリー、ビデオカード、キーボード、モニタであり、グラフィックオンボードのマザーボードの場合はビデオカードは不要です。
 一旦組んだ後に最小構成に戻すためには、組んだときとは逆の次の手順で取り外すと良いでしょう。

 (1)マザーボードに接続されている全てのケーブルを外す。
 (2)ビデオカードなど装着カードを取り外す。
 (3)着脱式の背面パネルであれば、PCケースから外す。
 (4)マザーボードを背面パネルから外す。

 この後、マザーボードをPCケースに接触しないように箱の上などにおいて、再度ビデオカードを装着しモニタに接続、マザーボードへの電源供給ケーブルを接続、キーボードを繋いで通電テストを行います。

 このとき電源ONするためには、PCケースのPOWERスイッチケーブルを接続してケースの電源ボタンを押しても良いのですが、マザーボードのシステムパネルコネクタのPOWER SW(スイッチ)の2本のピンをピンセットなどで接触させると電源が入ります。なお電源を切るときはATX電源の背面スィッチで切ります。

 最小構成のパーツでも起動しないときは、その構成パーツを再度取り付けなおしてみてください。それでも解決しなければ購入したショップにパーツの故障でないか相談しましょう。

1-4 CPUファンが回っていない場合

まずCPUファンの電源ケーブルの接続を忘れていないか確認してください。
 次に電源を入れたときだけ一瞬CPUファンが回るときは電源の出力が足りない可能性があります。ATX12V補助電源プラグがマザーボードに挿してあるか確認してください。

 高クロックCPUの使用、高性能ビデオカードの使用、HDDを何台も使用するなど消費電力が多いパーツ構成であれば、特にATX+12Vラインの出力が不足するおそれがあります。

 この場合も最終的には前述の最小構成でテストして確認すると良いのですが、CPUとビデオカードとHDD1台は必須とすると、その状態でCPUファンが一瞬回るだけであれば、大容量の電源ユニットに交換しないと解決しない可能性があります。

 概ねの目安としては、MicroATXケースで、250Wクラスまでの電源であれば、使用できるCPUに制約がある場合があります。また、PCケース付属の400Wクラスの電源ではSLIやCrossFireでビデオカード2枚挿しで使うことは無理なことが多いでしょう。

 もっとしっかりと調べたければ、ATX電源ユニットのATX+12Vの最大出力を確認してください。(参考ファイル:電源・ビデオカード換装

1-5 異常なビープ音が鳴る場合

CPU、メモリーまたはビデオカードのトラブル、特に装着不良ではないかと疑われます。一旦取り外し、再度、装着し直してください。なおビープ音の鳴り方によって、トラブルのあるパーツが診断できるケースがあります。

 (ビープ音についての説明)
   AwardPhoenixAMI(15-16ページ)、Microsoftimpress Q&A

 Awardの場合、「The only AwardBIOS beep code indicates that a video error has occurred and the BIOS cannot initialize the video screen to display any additional information. This beep code consists of a single long beep followed by two short beeps. Any other beeps are probably a RAM (Random Access Memory) problems.」としか記載されてなく、短いビープ音2回を伴う単一の長いビープ音、つまり長いビープ音1回+短いビープ音2回ビデオカードのトラブル、そのほかのビープ音は、メモリートラブルではないかと書かれています。

 このディスプレイにエラーメッセージを表示できるときは、ビープ音は必要がないという感じのAwardの説明は、ビデオカードのトラブル以外でも画面が真っ暗なことが普通であり不親切と思いますが、1998年にPhoenix社がAWARD社を買収して、最近になってPhoenix-AwardのBIOSへと切り替わってきており、サポートがおざなりとなっているのでしょう。

 PhoenixのBIOSは元々大手メーカー製パソコン向けで、むしろノートパソコンで使われていますから、ビープ音もBIOS ROMエラー、キーボードやメモリーのトラブルなどで発生し、CPUやビデオカードなど組み込みパーツ向けの診断機能ではないようで、最近のPhoenix-AwardのBIOSも旧AwardのBIOSを踏襲しているのではと思われます。

 旧AwardのBIOSで、現実に聞いたことがあるビープ音は、ピーポーピーポーと救急車の音のように高低差があるCPUトラブル、ピーピーピーピーと高い長音が続くCPUクーラーのトラブル、低い長音のメモリートラブルぐらいで、いずれも原因は装着不良が多いでしょう。

 AMIのBIOSは、ビープ音の鳴る回数でトラブルの種類が解るようになっています。
  ビープ音 1〜3回・・・メモリー関係のトラブル
           5回・・・CPUエラー
           8回・・・ビデオカードのトラブル
          他はマザーボード関係のエラー

 なおAMIのBIOSでは、正常に起動するとビープ音が鳴らないマザーボードがあり、以前使っていたASUS P4P800は、普段正常なときは電源を入れても「ピポッ」と鳴らない仕様となっています。

 トラブルのあるパーツの検討が付いたら、メモリー、CPU、ビデオカードのトラブルであればそのパーツを一旦外して装着し直してみてください。メモリートラブルの場合、取り敢えず1本のみ装着し、1本づつ試してみると良いでしょう。
 またビープ音で区別が付かない場合は、初めから組み立てなおしてみてください。

 パーツを装着し直してみてもトラブルが解決しなければ、また、マザーボード関係のトラブルはCMOSクリアしても直らないようであれば、購入したショップに持っていき確認してもらうよりないでしょう。


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2 BIOSの設定項目の確認

1998年にPhoenix社がAWARD社を買収した後もAwardブランドのBIOSが提供され、AwardかAMIのBIOSが自作パソコンでは使われてきました。

 1年半ぐらい前に購入したGigabyteの「GA-8TRS350MT」はAwardのBIOS、昨年購入したASUSの「A8N-SLI Deluxe」は、Phoenix-AwardのBIOSと画面には表示されますが、実態はPhoenix-AwardのBIOSでもAwardのBIOSのようなものでしょう。

 またIntelのマザーボード「D915GAGL」は、Intel-AMIのBIOSを採用しており、この3台のマザーボードのBIOSを例として設定項目の確認の仕方を説明します。

 BIOSのメニュー構成や設定項目は、同じAwardのBIOSでも、マザーボードメーカーで手を加えており、機種によっても独自の設定項目があったりして異なります。また同じ型番のマザーボードでもBIOSのバージョンアップで項目が追加されたり、修正されたりしてBIOSのバージョン(リビジョン)で変わってきます。

 そのため、ここで説明する画面と少し違うことは当然のことですが、一応Phoenix-AwardのBIOS、AMIのBIOS、AwardのBIOSと、自作パソコンをほぼ網羅する3種類のBIOSを取り上げており、似たようなメニュー画面があることでしょう。操作方法は大きく違いませんが、設定項目が違うときは、それぞれのマザーボードのマニュアルで確認してください。


2-1 Phoenix-Award BIOS

ほとんどの自作パソコンでは、パソコンの電源を入れた後のPOST(Power Of Self Test)チェック中にDeleteキーを押すとBIOSのセットアップ画面が表示されます。

 自作パソコンのAwardかAMIのBIOSでは、DeleteキーでBIOS画面に入りますが、メーカー製パソコンのPhoenixのBIOSでは「F2」キーを押してBIOSに入る機種もあります。このマザーボードはPhoenix-AwardのBIOSですから、「F2」キーでもBIOSに入れるかと思ったのですが、「F2」キーでは不可、Deleteキーを押さないとBIOSに入れません。

 やはり自作向けマザーボードではDeleteキーということでしょうが、もちろんBIOSへの入り方は、マザーボードのマニュアルに記載されており確認してみてください。

 かつて一度だけDeleteキーを押しても、タイミングが遅くなってBIOS画面に入りにくいマザーボードがありました。タイミングがシビアな場合は電源ON後にDeleteキーを何度も押してください。

 このマザーボードでは、電源ON後に「Press DEL to Enter SETUP」(この意味はBIOSの「セットアップに入るにはDeletキーを押してください」ということです。)と表示され、すぐDeleteキーを押せばBIOSのセットアップ画面に入れます。

 BIOS画面ではマウスは使えなくキーボードでの操作となり、基本的には矢印→←キーでメニューを移動し、矢印↓↑キーで項目を移動し、選んだ項目でEnterキーを押してサブメニューで設定の変更を行うことが普通です。またサブメニューから戻るときはESCキーで戻ることが普通です。なお、下の画像のように最下段にその画面でのキー操作の説明があります。

 

 このPhoenix-AwardのBIOSでは、BIOSのセットアップ画面を表示させると、BIOSメニューの選択画面ではなく、いきなりMAIN画面が表示されます。

 このMAIN画面では、時刻・日付のほか、「Legasy Diskette A:」欄、つまりAドライブに[1.44M、3.5in]とFDDが表示され、「Primary IDE Master」〜「Forth SATA Master」の欄に接続されているHDD4台とDVDドライブの型番が表示されています。

 例えば「First SATA Master」に[Maxtor 7L300S0]とMaxtor製のSATA接続HDDが表示されていますが、これらドライブの型番が正しく表示されていれば、BIOSで正常に認識されています。

 また一番下の「Installed Memory」の欄に、1024MBと表示されており、512MBのDDR400メモリーを2枚積んでおり正常ということです。

 なお、この画面の一番上の「SystemTime」と「SystemDate」は、CMOSクリアした後など、現在の日時と合ってなく狂っていれば修正します。

 修正の方法は、このBIOS画面の最下段にキーの説明があるように、矢印↓↑キーで項目を移動し、「+」キーと「-」キーを使用して数値を変えることができます。

 
 次に矢印→キーで、「Advanced」を選び、表示されるのが右の画面です。

 このAdvancedメニューは、オーバークロックやメモリー設定など高度な設定をしたいときに使うもので、通常は初期設定のままで支障がないでしょう。

 Advancedメニューについて詳しくは「Socket939 Athlon64 パソコン自作」を参照してください。


 上のMainメニューでは、装着されているCPUがまだ確認できていません。

 このAdvancedメニューのCPU Configurationが選択(白字で表記)されている状態でEnterキーを押すと右の画面が表示されます。

 このCPU Configuration画面の上部で装着されているAthlon64 3500+が正常に認識されていることが解ります。




以上で組み込みパーツのBIOSでの認識が確認できました。
 なおビデオカードは、BIOSでは確認できず、Windowsをインストールしてからビデオカードのドライバをインストールして「システム情報」、「デバイスマネージャ」、「画面のプロパティ」のいずれかで確認できます。

Bootメニュー

続いて、Bootメニューを確認します。
 このBootメニューは、かつてはAdvanced BIOS Featuresメニューの中の項目としてありましたが、SATA接続のHDDを使うようになって設定の変更をしなければならないことが多くなり、Bootメニューの重要性が高まってメニューとして昇格したようなものです。

 この「Boot Device Priority」(起動デバイスの優先順位)は、パソコンの電源を入れたときの起動ドライブの順番を設定する項目です。

 日本語の説明では、「起動ドライブの優先順位」という表現を使うことが多いのですが、言葉としての「起動デバイス」と「起動ドライブ」は、デバイスがFDD、HDD、DVDのように機器のこと、ドライブがAドライブ、Cドライブ、Dドライブのように概念的なドライブという意味合いがあります。しかし機器もドライブと呼ぶことが多いことから厳密に区別して使ってなく、この場合は全く同じことです。

 この優先順位は、Windows98は起動フロッピーディスクを使いインストールするためにA:ドライブ(FDD=Removable機器の一つ)を最優先としたため、Windows98時代はA:→C:→CD-ROMというドライブ順が普通でした。

 しかし現在は、WindowsXPがCD-ROMから起動してインストールするため、優先順位はCD-ROM→HDD→Removableというデバイス順に指定することが普通です。

 このように昔はドライブ名を指定、今はデバイス名を指定することが普通であり、BIOSの表記も今は「Boot Device Priority」となっていることが一般的です。

 余談が長くなりましたが、日本語で説明するときは「起動ドライブの優先順位」ということが普通であり、この設定次第で、Windowsがインストールできなかったり、通常時にWindowsが起動しなかったりということが起こるのです。

 
 矢印→キーで、「Boot」を選び表示されるのが、右の画像のBootメニューです。

 この画面は、起動ドライブの優先順位、複数のHDDなど同種のドライブの起動順位など、パソコンの起動時の設定を確認・変更するメニューの入り口です。

 Boot Device Priorityを選択(白字)して、Enterキーを押すと下の画面が表示されます。

 
 1st Boot Deviceが画面では、CD-ROMになっています。

 WindowsXPをインストールするのであれば、1st(First=最優先)はCD-ROMのままで良いのです。

 例えばWindows98をインストールするのであれば、1stはRemovableに変更する必要があります。

変更の方法は、1stに選ばれているCD-ROMが選択(背景黒)されている状態で、Enterキーを押すと変更可能なDeviceが表示されるので、矢印↓キーでRemovableを選びEnterキーを押せば変更が反映されます。

 そしてこの場合、3rd Boot DeviceがRemovableになっているため、CD-ROMに変更しておくと良いでしょう。矢印↓キーで3rd Boot Deviceに移動し、後は1st BOOT Deviceの変更と同じ方法で、RemovableをCD-ROMに変更できます。

 
 前のBootメニュー画面の3段目のHard Disk Drivesを矢印↓キーで選択して、Enterキーを押して表示されるのが右の画面であり、接続されているHDDが並んでいます。

 「1.」に「1st Master(プライマリ・マスター): Maxtor 6L080L4」とMaxtorのIDE接続のHDDが表示されています。

次の「2.」に「2nd SATA-M:HDS722516VLSA80」と日立のSATA接続のHDD、以下これを含めてSATA接続のHDDが3台並んでいます。

 この上から順に、1.2.3.4.という順番がHDDの起動順であり、プライマリ・マスターに接続したMaxtorの6L080L4に、WindowsXPがインストールしてあるため最優先1番で良いのです。

 もし、高速なSATA接続のHDDに、WindowsXPをインストールするのであれば、「1.」は、そのSATA接続のHDDに変える必要があります。

 変更の方法は、「1st Master: Maxtor 6L080L4」が選択(背景黒)されている状態で、「-」キーを押すと一つ順位が下がるというように、「+」キーと「-」キーで順位が入れ替わります。

 実は「2.2nd SATA」「3.1st SATA」と順番が入れ替わっており、参考までに変えてみましたが、MBRを始め起動プロセス情報はIDE接続(プライマリ・マスター)のHDDにあり、この変更は意味はありません。

 なお、「1st SATA-M」のMはマスターのことかと思いますが、SATA接続では1対1でマスターとスレーブの区別はないため、わざわざ「M」は付ける必要が無いように思います。

 Hard Disk Drivesと同じように、CD-ROM Drives、Removable Drivesも複数台の機器を接続していれば、同じように機器の起動順を変更できます。

 Bootメニューの「CD-ROM Drives」を確認すればDVDドライブの機種名が、「Removable Drives」を確認すればFDDが表示されますが、現在使われている機器は、ほとんどDVDドライブなのに、何故CD-ROMと表記されるのか、またFDDではなく何故Removableという用語を使っているのかと疑問に思われることでしょう。

 「CD-ROM Drives」は、WindowsがCD-ROMで提供されているため、媒体メディアであるCD-ROMが使用できるドライブの総称として、「Removable Drives」は、WindowsXPパソコンではFDDが必須でなくなって他のドライブ類も含めてRemovable Drivesという総称を使っているのでしょう。


BIOS画面の終了方法

下の画面は、BIOSのセットアップ画面を終了し、通常画面に戻るときの画面です。
 BIOSの設定を変更し、その変更を保存して終了する場合は、「Exit & Save Changes(変更を保存して終了)」を選択しEnterキーを押すと、下の左の画面が表示されます。

 その後、「Save configuration Changes and exit now?(構成変更を保存して終了)」というホップアップウィンドウで「YES」が選択されている状態でEnterキーを押すと、変更が適用されBIOSから抜けれます。

 BIOSの設定を確認し、変更しないでそのまま終了する場合は、「Exit & Discard Changes(変更を破棄して終了)」を選択しEnterキーを押すと、下の右の画面が表示されます。

 その後、「Quit without Saving(Y/N)?(保存しないで終了)」というホップアップウィンドウで「YES」が選択されている状態でEnterキーを押すと、前のまま変更しないでBIOSから抜けられます。

 

まだ確認してない事項があるとき、また保存するかどうか迷ったときは、下の左と右いずれの画面でも、ためらわないで矢印→キーで「NO」を選びEnterキーを押してください。「NO」を選んでEnterキーを押しても何も起こりません。ただこのホップアップ画面が消えるだけです。

 その後、まだ気になる設定項目を確認したり、保存するか、保存しないで終了するか、決めてから再度Exitすれば良いのです。

 Phoenix-Award BIOSは、Award BIOSと比べれば、随分新しくなったという印象があります。
しかし現在販売されているマザーボードの中には少し発売時期が古いものもあり、後述のAward BIOSの説明にも目を通してください。


2-2 Intel-AMI BIOS

これまで使用してきたいくつかのマザーボードのAMIのBIOSでは、POSTチェック中にDeleteキーを押してBIOSのセットアップ画面に入りましたが、このIntelのマザーボードでは、マニュアルに「F2」キーを押すとBIOSの画面に入ると記載されています。

 もちろん「F2」キーを押せばBIOSに入りますが、キーを押すタイミングがシビアでBIOS画面に入りにくい場合は、電源ON後にDeleteキーを何度も押してください。

 また試しにDeleteキーを押してみると、DeleteキーでもBIOSに入ることができ、一々マニュアルを読まないベテランユーザーも多いことから、普通にDeleteキーでも入れるように配慮してあるのでしょう。

 Intel-AMI BIOSの全体の印象は、Phoenix-Award BIOSとメニュー構成や設定項目の表記が不思議に思えるほど似ており、最近のマザーボードのBIOSのトレンドなのでしょう。

 BIOS画面での操作は、これもPhoenix-Award BIOSと同じですが、基本的には矢印→←キーでメニューを移動し、矢印↓↑キーで項目を移動し、選んだ項目でEnterキーを押してサブメニューで設定の変更を行うことが普通です。下の画像のように右側の下段にその画面でのキー操作の説明があります。

 

 BIOS Versionに続く上段に、CPU情報、Pentium4 3.2GHz、FSB800MHzが表示されています。
 Memoryは256MBが2枚でデュアルチャネル動作とこれも正常です。


Bootメニュー

 
 矢印→キーで、「Boot」を選び表示されるのが、右の画像のBootメニューです。

 この中段の「Boot Device Priority」で起動ドライブの優先順位を設定します。

 矢印↓キーで「Boot Device Priority」に移動し、Enterキーを押して表示されるのが右の下の画面です。

 1st Boot DeviceにHDDが指定してありますが、WindowsXPをインストールするときは、CD-ROM(DVD)ドライブを1st (First=最優先)にする方が無難です。

 1st Boot DeviceにHDDの型番が、2ndBoot DeviceにDVDの型番が直接表示されていることが上のPhoenix-AwardのBIOSと異なります。

 他は似ていますので、詳しくは上述のPhoenix-AwardのBIOSの説明を参考としてください。




BIOS画面の終了方法

下の画面は、BIOSのセットアップ画面を終了し、通常画面に戻るときの画面です。
 BIOSの設定を変更し、その変更を保存して終了する場合は、「Exit Saving Changes(変更を保存して終了)」を選択しEnterキーを押すと、下の左の画面が表示されます。

 その後、「Save configuration Changes and exit now?」というホップアップウィンドウで「OK」が選択されている状態でEnterキーを押すと、変更が適用されBIOSから抜けれます。

 BIOSの設定を確認し、変更しないでそのまま終了する場合は、「Exit Discarding Changes(変更を破棄して終了)」を選択しEnterキーを押すと、下の右の画面が表示されます。

 その後、「Discard Changes and exit setup now?」というホップアップウィンドウで「OK」が選択されている状態でEnterキーを押すと、前のまま変更しないでBIOSから抜けられます。

 

なお、いずれの場合も矢印→キーで「Cancel」を選びEnterキーを押しても何も起こりません。ただこのホップアップ画面が消えるだけです。

 Intel-AMI BIOSは、前に使っていたASUSのマザーボードP4P800のAMI BIOSとは随分異なる印象を受けますが、Intelが手を加えている部分だけでなく、この間2年ぐらいの間にAMI BIOSが変わってきている部分も多いのでしょう。

 また、このマザーボードの設定を確認・変更した事項について、詳しくは「LGA775 Pentium4 パソコン自作」を参照してください。


2-3 Award BIOS 旧タイプ

Award BIOSでも下の画面は、最近の新しいマザーボードでは使われていないのでしょうが、AwardもAMIも、2003年ぐらいまでのマザーボードでは、最初に自作ユーザーにとっては見慣れたメニュー選択画面が表示されます。

 一般的にAward BIOSは、パソコンの電源を入れた後のPOSTチェック中に、Deleteキーを押すとBIOSのセットアップ画面が表示されます。

 ごく普通にDeleteキーを押すとBIOS画面に入りますが、キーを押すタイミングがシビアでBIOS画面に入りにくい場合は、電源ON後にDeleteキーを何度も押してください。

 BIOS画面での操作は、基本的には矢印↓↑←→キーで項目を移動し、選んだ項目でEnterキーを押してそれぞれのメニューに移動して設定の変更を行います。また下の画像のように下段にその画面でのキー操作の説明があります。

 
 右の画像は、BIOSに入って最初に表示されるメニューの選択画面です。

 このメニュー選択画面でメニューを選んで移動し、設定の確認・変更した後、またこの画面に戻って次のメニューに移動するという使い方をします。

 一々メニュー画面に戻るのは少し面倒でも、規則性がはっきりしていて解り易いものです。


 
 メニュー選択画面で、矢印↓キーで、このStanderd CMOS Featuresを選びEnterキーを押すと、右の画面が表示されます。

 かつてStanderd CMOS Setupと呼ぶことも多かったこのStanderd CMOS Featuresは、標準画面であり、現在のMAINメニューとほぼ同じです。

 日時の下に、IDE接続されているデバイスが確認でき、CD-RWとHDDの型番が表示されています。

 画面中段にFDDが接続されていることが表示され、下段にTOTALメモリーが512M(B)と表示されています。

なお、スリムタワーケースでドライブベイが特殊な配置であり、1本のIDEケーブルで無理をして接続しているため、HDDがプライマリのスレーブに接続しています。本来ならば、WindowsXPをインストールするHDDですから、プライマリのマスターに接続するのが原則です。


Bootメニュー

Advanced BIOS Featuresで、起動ドライブの優先順位を指定する項目があります。

   First Boot DeviceにCD-ROM、Second Boot DeviceにHDD、Thired Boot DeviceにFloppyが指定されており、WindowsXPをインストールするためには、これで良いのです。

 HDDを複数台接続しているのであれば、最上段のHard Disk Boot PriorityでWindowsXPをインストールするHDDが最優先(First)になっているかどうか確認しましょう。


BIOS画面の終了方法

   最初のメニュー画面に戻って、右側の欄の下のほうに、「Exit & Save Changes(変更を保存して終了)」と「Exit without Saving(保存しないで終了)」という項目があります。

 BIOSの設定を変更し、その変更を保存して終了する場合は、「Exit & Save Changes」を選択しEnterキーを押すと、下の画面のように「Save to CMOS and EXIT (y/n)? y」というホップアップウィンドウが表れ「Y」が表示されている状態でEnterキーを押すと、変更が適用されBIOSから抜けれます。

このときEnterキーの変わりに「Y」キーを押しても同じことです。


BIOSの設定を確認し、変更しないでそのまま終了する場合は、「Exit without Saving」を選択しEnterキーを押すと、「Quit without Saving(Y/N)?」というホップアップウィンドウが表れ「Y」が表示されている状態でEnterキーを押すと、変更が適用されBIOSから抜けれます。このときEnterキーの変わりに「Y」キーを押しても同じことです。

 なお、いずれもホップアップウィンドウで「N」を選択し、「N」キーを押すと、単にEXITを止めるだけの事で何も起こらないで、ホップアップウィンドウが消えるだけです。


おわりに

ビギナーの方からの掲示板への質問で、BIOS画面に入ることを心配されていると感じたことがあります。

 BIOSの書き換え、つまりバージョンアップはビギナーの方にはお勧めできませんが、BIOSの設定の変更は、Default(初期設定)への戻し方を知っていれば大丈夫です。ましてや変更しなければならないことは稀で、普通は確認するだけのことが多いのです。

 自作パソコンではBIOSを確認し、必要があれば設定を変更することは避けて通れないことですから、まずBIOSからの抜け方を習得され、いつでも抜けれるからと安心してBIOSの設定を確認してください。むしろ組み込んだパーツをBIOSで正しく認識していることを確認した方が安心できるのです。

 電源を入れて異常なビープ音が鳴らず、組み込んだパーツがBIOSで正しく認識されていれば、ハードウェアとしては完成です。

 次は、WindowsXPをインストールするための「ハードディスクの初期設定」についてを御覧ください。最近の大容量HDDは、パーティションを切らなくて一つのドライブとして使用していては、あまりにも不便ですから是非「ハードディスクの初期設定」に目を通してください。


 
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   6 ハードディスクの初期設定に進む

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(2006年3月 6日 当初執筆)

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